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茫漠とした話。
日時: 2016/12/05 05:27
名前: 774

そいつは、どこか南国の豪邸に住んでいて広い庭にはプールがある。
そこは風光明媚なその街の遠くまで見渡せる高台に位置する。
門の脇のガレージにはピカピカのアストンマーチンがとまってる。
その仕事はさぞ儲かったらしい。
屋敷の中にはスタイル抜群のお姉ちゃんが何人か裸でじゃれている。
それにおっさんが照明を当てて高そうなカメラで撮影をしている。
そいつは数年前にあるフォーラムでこう書いた。
「この業界はもう儲からない」
そしてプロデューサーをやめて今では既存の作品を売って暮らしているとか。
そのほかに何をしてるかは知らない。
そいつはスペイン、イギリス、アメリカなんかを行き来している。
顔が広い。有名な連中とも知り合いだ。
この糞くだらない世界において、そいつは実に正しく羨ましい生き方をしている。
思うにそれは頭がいいからではない。幸運なのだ。
地球の裏側でそうやって楽しい人生を送っているそいつが羨ましい。
スタイルのいい姉ちゃんがいう。
「安いボロ車に乗って貧しい生活に毎日イライラしながら生きてるのあの男の奥さんは」
高そうな衣装を心地よい風になびかせながら綺麗な顔で笑う。
「そうやってあたしに貢いでるのあの男。かわいそう。」
そういうストーリーの映像が大きなモニターに流れてる。

メンテ

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